2010年9月17日金曜日

エミッタ接地増幅回路の計算はほんとに難しいですね

[1石トランジスタ回路の設計]
http://okazaki.incoming.jp/danpei2/rf/design1tr.htm

同じエミッタ接地増幅回路の基本を説明してくれているサイトを読んでみたのですが
少し違ったプロセスで説明をしてくださっています。
エミッタ抵抗は大きめに設定して、コレクタ抵抗<エミッタ抵抗 (エミッタ抵抗のほうが大きい)
これは、一見すると増幅率が100%以下になって増幅回路ではなくなるのだけど、エミッタ抵抗に
並列のコンデンサをアナログ成分が通過するので、いいんじゃないか。というアイデアです。
なるほど、そうですね。しかも、エミッタ抵抗を大きく取れば、温度変化的に安定度が高まるのだそうです。 彼の提示しているサンプル回路は、エミッタ抵抗が2K コレクタ抵抗が1.7K
と、エミッタ抵抗がコレクタ抵抗を上回っています。

また、興味深いことが書いてありました。『書いている本人も嫌になるほど色々考慮すべき所が多く、基本的に四則演算で設計できるのだが、手計算でやるとすぐに設計を誤ってしまう事が多い。それで簡単な設計ソフトを作ってみようかと何度も思ったが、実際はやるに至っていない。1石でこんなに面倒なんだから今時こんなの本気でやる人間がいるのかと思ってしまうのだが。』

このサイトはサイトマップが明かされてないので、サイト名とか著作者のニックネームなどもわかりませんが、トランジスタ 増幅回路 でググルと第9位に出てきました。 

前回までのブログでご紹介したサイトが、コレクタ電圧を電源電圧の半分とすることから始めて
だんだんエミッタ、ベースの順に計算していく方法でしたが、この記事の場合はどちらかというと
ベースにくっついている2個の抵抗の辺から入っていく方法です。

R1(Vccからベースに落とす抵抗)とR2(ベースから接地に落とす抵抗)はベースの電位を固定する役目とベースに十分な量の電流を流す役目を負っているのだそうです。

十分な量の電流とは具体的にはベース電流(Ib)の10倍程度であるとのこと。
「Ie=Ib×hFE(電流増加率)なので、仮にhFEが100だと Ieが1mAならIbは0.01mAになり、十分な量の電流はその10倍の0.1mAになります。」と書いてあります。 この部分、前のサイトの説明とまったく
同じですね。  100分の1の10倍 ! 要するに、100分の1の10倍だから結局「10分の1」ということで覚えていいのかな?

要するに、エミッタ電流1mAなら、その10分の1の0.1mAをベースに流さないといけない
とこのように考えていいのでしょうね ...。

ベース電流はエミッタ電流の1割(10分の1)ということで。...!

ベース電流が決まれば、ベース電圧さえわかれば ベース接地間抵抗の値が求まる !

うん うん。 だんだん わかってきました。


なんとなく


要するに、 著者は 言っています。

エミッタ電圧をしっかり確保せよ と。

このエミッタ電圧、(オームの法則でエミッタ抵抗と言い換えてもよい)をしっかり十分にとったほうが
回路が安定するとおっしゃっています。
このエミッタ電圧を高くすると直流的に増幅率が下がるけど、コンデンサがあるから交流分はしっかり増幅できるんだ と。

電圧 という観点で 整理すると、 このサイトの著者様は

電源電圧を、 3つに分けて考えられると思うんですよね。

下のほうから

電源電圧=

接地からエミッタまでの電位差

エミッタからベースまでの電位差

ベースから電源+極 までの電位差

電源電圧を乾電池一個にしたい場合、どうなるのか 考えてみます !

「小信号用トランジスタの場合、Ieは1mA程度流すのが一般的」ということで

それで、 思うのですが、エミッタ電圧が高いほうが安定するといってもたとえば

電源電圧が1.5ボルト という場合、 いくらエミッタ電圧が高いほうがいいのだ といっても

エミッタ電圧を2ボルトにすることは不可能です。

だから、なんというか...

そして もうひとつ はっきりしているのは、エミッタからベースまでの電位差なんですが

これは 常に固定値なんですよね。 0.6V !

ということは 電源電圧が 1.5V の場合は

えーと

このへんは、 バランスでいくしかないんでしょうか ...

はっきりしているのはエミッタからベース間電圧 0.6V

そこで、エミッタ電圧がどれくらい確保できるか...

余ってる電圧は わずかに 0.9V ですから、 ...

著者様は 電源電圧 6V で、 Ve 2V 、 Vbe 0.6V  Vb_Vcc 3.4V と配分されています。

そこで、もう わけがわからなくなりそうになった僕としては

適当に 

接地からエミッタまでの電位差     0.4V    

エミッタからベースまでの電位差    0.6V

ベースから電源+極 までの電位差  0.5V

こんな感じでどうなんでしょう ?

そうすると、 Ie =1mA で、 エミッタ抵抗 が 0.4/0.001=400オーム と 決定!


それで

ベース電流に着目するんですよね。

Ie=1mA なので、 さっきから言っているように、 Ibは 10分の1 ということで

Ib=0.1mA(0.0001A) !

ベース接地間電圧は 0.4+0.6=1
ベース接地間抵抗は 1V ÷ 0.0001 = 10 K オーム

あれ、 結構大きいですね。  まあいいか

ベース電源電圧は 0.5 なので 
ベース電源間抵抗は 0.5V ÷ 0.0001 = 5 K オーム

それから最後に コレクタ抵抗を求めるのだそうです。

「エミッタ電流(Ie)はコレクタ電流(Ic)とほぼ同じなので1mA。」と書いてあります

「単純に3.4V/1mAで3.4KΩにすると、振幅が全くないので増幅しません。振幅を一番大きくするには3.4Vの半分の1.7Vを基準として1.7V/1mA=1.7KΩにします。」 とも書いてあります。

3.4Vというのは、著者が電源6Vで設計されているときのベース電源電圧だと思いますので

3.4を 0.5に置き換えて、要するに 「ベース電源電圧/2」 だと思うので

0.25Vですか、...

で この0.25V/1mA=250オーム になります。

一応、 抵抗値が出揃いました。

とても 不安ですが サーキットビューワーに かけてみます。


結果は、 ... なんか もう だめでした 。。。。がくっ !




0.6Vのはずが0.1V

 

1mAのはずが0.2mA




さすがにここは固定値0.6V 。 ふう~。



ここは0.5Vのはずなのに0.7V


ちなみにコレクタ電圧 1.4V もあります。
どうりで、エミッタ電圧が小さいはずですね。


あー、なんだか ほんとに いったい どうなてるのでしょうか ?



やけくそで、交流信号を 加えてみます


1KHz 5mV 正弦波を 入れました






出力は … 少しは増幅できてます …





そういえば、C3のコンデンサー は この回路の肝なので
もう少し大きくしてみます

100uF でも ほとんど 変化ありません
ちなみに470uFまで増やしても、変化なしでした。




むずかしいです



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